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ZEHとは?ZEHのメリットやデメリット、2020年の補助金について紹介

家づくりに関する情報を集めている方は、ZEH(ゼッチ:ネットゼロエネルギーハウス)について耳にする機会があると思います。 しかし「なんとなく聞いたことはあるけど、詳しい意味はわからない」という人が多く、全体像を理解している方はあまりいません。 そもそもZEHがどのようなもので、住宅をZEH化することでどのようなメリットがあるのでしょうか。これらを知ることで、ZEHを導入するかどうかの判断基準にしましょう。

ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)とは?

ZEHは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」を略した言葉で、「ゼッチ」と読みます。 年間の一次消費エネルギー量の収支を、実質(=ネット)ゼロ以上(プラス)にする家です。 「一次消費エネルギー量」に換算される電力は換気や給湯、照明といった住宅設備機器のエネルギーだけです。 つまりオーディオ機器や調理家電、美容機器など、住宅設備以外の消費電力は含まれません。 エネルギー収支をプラスにする具体的な方法は「省エネ」と「創エネ」の2つです。 省エネ:断熱性能を高めたりエネルギー効率の高い電気設備を導入したりすることでエネルギーの消費量を減らすこと 創エネ:太陽光発電を活用してエネルギーを生み出すこと 「創エネ」の発電量が「省エネ」で減らした消費電力量と同等以上になるよう、技術基準が設けられています。 断熱性能やエネルギー効率の優れた省エネ設備の導入基準、一次消費エネルギー量に応じた太陽光パネルの容量など、具体的な基準を守った住宅だけが申請や認定、補助金交付の対象となります。 地球温暖化防止のために国が定めた基準 ZEHが生まれた背景には、2015年に締結された「パリ協定」があります。 地球温暖化防止を目的として基準を定めた国際的な協定で、日本は2030年までに二酸化炭素の排出量を2013年対比▲26%を目標とするよう定められました。 国はこの目標をクリアするための方策のひとつとして、ZEHを生み出したわけです。 具体的には2020年までに新築住宅の50%以上を、2030年までに新築住宅の100%以上をZEHにすることを目標としています。

ZEHのメリット

ZEH仕様の住宅を建てると、主に次のようなメリットが得られます。 1.環境負荷が少ない家になる 2.月々の光熱費が抑えられる 3.温度変化の少ない家で健康に暮らせる 4.補助金が受けられる 5.蓄電池も導入すれば災害対策になる 6.資産価値が高くなる 私たち人間は地球上で暮らしていますから、環境負荷を減らして生活できるという点は間違いなく大きなメリットです。 その点が実感しづらいと感じる人にとっては、月々の光熱費が少なくすむというコスト面でのメリットが大きいといえるでしょう。 ZEH仕様の住宅は断熱性能を高めているので、夏の暑さや冬の寒さを我慢するのではなく、快適な生活をしながら電力消費量が抑えられます。 家の中の温度差が少ないので、ヒートショックのリスクが低いという点も魅力ですね。 国が普及を推進しているので、ZEHの認定基準をクリアしたうえで期間内に申請すれば補助金の交付が受けられます。 通常、仕様の住宅より建築費はいくらか上がりますが、補助金や光熱費の低減効果で大部分を賄えるでしょう。 それどころか、コスト面ではプラスになるケースが多いと考えられます。 ZEHの必須要件ではありませんが、2019年度は電力をためておくことのできる蓄電池にも補助金が交付されました。 ZEH仕様の住宅に蓄電池を設置すれば、プラスアルファとして1kWhあたり2万円が交付されるという制度で上限額は1台あたり20万円です。 蓄電池があれば停電時にもためておいた電力を使用できるので、災害時にも影響を受けにくくなります。 日本の住宅は新築から年数が経過するにしたがってどんどん価値が下がっていきますが、ZEHなら光熱費の低減や温度変化の少ない快適さ、蓄電池による災害対策などによって資産としての価値を保ちやすくなります。 2016年4月に導入された「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」がより普及すれば、ZEHの持つ資産価値が明示しやすくなるため、より資産価値が高くなることが期待されています。

ZEHの注意点

「ZEHなら毎月の電気代がかからないのだろう」と勘違いしている人がいますが、正確には違います。 ZEHの目指すものはあくまで「エネルギー量の」プラス。 毎月電力会社から請求される電気代や、振り込まれる売電収入などの金額には直接関係ありませんので注意してください。 また、売電価格にも注意が必要です。 2014年の売電価格が37円だったのに対し、2019年には余剰電力が24円、全量売電が14円にまで売電価格が低下しました。今後、新規の売電契約が打ち切られる可能性もないとはいえません。 今のところは固定価格買い取り制度で導入後10年間は売電価格が保証されるので、ZEH化に踏み切るならその制度があるうちに検討した方が良いのではないでしょうか。 もちろん、太陽光を利用した発電なので日射量によって売電価格も大きく変動しますので、事前に確認をしておきましょう。

2020年もZEHの補助金はでるのか?

政府は2019年12月20日、2020年度予算案を閣議決定しました。 その中に2020年度エネルギー対策特別会計予算案として、経産省・国交省連携事業が提出されています。 それによると、2020年度のZEH補助金は「1戸あたり60万円」の予定です。 蓄電池に対する補助金の有無や金額といった詳細は、まだ発表されていません。 グレードによる金額の違いは2020年度も継続? ZEHには断熱性能やエネルギー効率の優れた省エネ設備の導入基準、一次消費エネルギー量に応じた太陽光パネルの容量など、具体的な基準がいくつも定められています。 認定を受けるには、それらをクリアしたうえで期間内に申請しなければなりません。 さらにZEHには ・ZEH+(ゼッチプラス) ・ZEH+R(ゼッチプラスアール) ・Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)」 ・ZEH Oriented(ゼッチオリエンテッド) ・高層ZEH-M(ゼッチマンション) ・先進的再エネ熱等導入支援事業 など、仕様設備の内容に応じたいくつかのグレードがあります。 2019年度の補助金制度は、より厳しい基準に当てはまるほど補助金額が大きくなるよう設定されていました。 最大1戸あたり120万円+α(ZEH+R)が交付され、「先進的再エネ熱等導入支援制度(1戸あたり90万円)」は「ZEH」「ZEH+」との併願が可能という制度です。 2020年度のグレードによる補助金額の違いは未発表ですが、2019年度に近い制度になるのではないかと予想されます。

まとめ

国が強力に普及を推進してきたZEH。建築費が多少上がってしまいますが、補助金や光熱費の低減効果を考えるとコスト面でもプラスになると考えられます。 快適な暮らしが実現できるうえに、コスト面の負担も抑えられるなんてうれしいですよね。 2020年度も補助金制度が継続されるので、今後住宅建築される予定の方はぜひZEH化も検討してみましょう。