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COLUMNお役立ちコラム

住宅ローンの借り方は?事前審査と本審査の違いや審査の流れを解説

新築の一戸建ては、安くても1,000万円以上する高額な買い物です。

当然ながら、多くの場合、注文住宅をキャッシュで購入することはできないので、足りないお金は金融機関でローンを組んで貸してもらう必要があります。

 

ただ、住宅ローンは借りる金額が大きい分、審査も厳しいですし、借り入れできるようになるまで時間もかかります。

利用できるローンの額によっては、新居にかけられる予算も変わってくるので、前もって住宅ローンの借り方を知っておきましょう。

 

今回は、

・住宅ローン審査の流れ

・事前審査と本審査の違い

・審査にかかる時間

・必要書類の種類

など、住宅ローンの申し込み時に役立つ基礎知識を解説していきます。

 

住宅ローンの審査の大まかな流れ

 

住宅ローン審査の大まかな流れは、以下の通りです。

 

・借り入れの金額と住宅ローンの申し込み先を決める

・事前審査の申し込み

・新居の売買契約

・住宅ローン本審査の申し込み

・住宅ローンの金銭消費賃借契約を締結

・新居の引き渡し日に融資実行

 

ご覧の通り、住宅ローンの手続きは「事前審査」と「本審査」の二段階方式になっています。

住宅ローンを提供している金融機関は全国各地に存在しますが、どの住宅ローンも、事前審査に通った人しか本審査へ進むことができません。

 

また、住宅ローン審査は、事前審査で約1週間、本審査に長くて3週間程度の時間がかかります。

即日で結果がわかるわけではありませんし、場合によってはローン審査に落ちてしまう場合もあるので、入居予定日には余裕を持たせておくことが大切です。

 

 

事前審査と本審査は何が違うのか?

 

住宅ローンについて調べているときに、「どうして住宅ローン審査ではわざわざ二回も審査を行うのだろうか」と疑問に思った人もいるでしょう。

事前審査と本審査の違いは、「住まいの資産価値をチェックするかどうか」です。

 

詳しい内容はあとで説明しますが、住宅ローンの事前審査は、主に「本人の年収・返済能力でローンを完済できるかどうか」を確認します。

一方、本審査の場合、本人の年収などに加えて、「新築物件がいくらで売れるのか」も評価の対象です。

 

ローンの担保として押さえている注文住宅を高く売却できれば、ローンの返済を滞納しても、家を売ってローンを整理できます。

二段階の審査があるからこそ、自分の収入で返済できないローンを組もうとしたり、担保としての価値が低い物件を購入しようとしたりしている利用者が弾かれているわけです。

 

大まかな借入可能額がいくらになるかを知ろう

 

月々の給与から返済に回せる金額には限りがあります。

そこで役立つのが、「返済負担率」という考え方です。返済負担率とは、「収入の内、何%を住宅ローンの返済にあてるのか」を数値化したもの。

 

たとえば、住宅ローンの中でも低金利で有名な「フラット35」の返済負担率基準は、以下のようになっています。

 

・年収300万円未満:25

・年収300400万円未満:30

・年収400700万円未満:35

・年収700万円~:40

 

基本的に、上記の基準を越える額を申請しても、事前審査を突破できません。

一般的には年収が高くなればなるほど使えるお金が増え、ローンの返済に回せる金額も大きくなりますが、家を買ったあとも何かとお金はかかるので、返済負担率が年収の30%を下回るように借入額を調整しましょう。

 

また、「現在の家賃」と「月々のローン返済額」を合わせるという方法もあります。

 

住宅ローンの事前審査(仮審査)について解説

 

 

事前審査(仮審査)とは?

住宅ローンの事前審査は、住宅ローンの申請者の年収や返済能力から、「本当にローンを返済できるのか」を調べる手続きです。

基本的には、年収やローンの有無、勤続年数に就職先といった情報をチェックされます。

 

なお、一般的に高収入と呼ばれる職業の人間でも、必ず事前審査に通るとは限りません。

返済負担率を計算した結果、現実的に考えて返済できないと判断されれば、年収が1,000万円あっても2,000万円あっても事前審査に落ちてしまいます。

 

事前審査(仮審査)の審査期間は?

事前審査の審査期間は、およそ1週間です。

金融機関や申請者の属性等によっては数日で結果が分かる場合もあります。希望額が大きかったり、返済能力に何らかの問題があったりする場合は詳しく調査されるため、多少時間がかかる場合もあるでしょう。

 

とはいえ、事前審査はあくまでも「本気でローンを組んで家を買う準備ができているかどうか」を確かめる手続きです。現実的に返済を進めていける計画を立てていれば、審査を突破できます。

 

事前審査(仮審査)で見られる内容は?

事前審査の審査項目は、

 

・年収

・勤務先

・借入希望額

・勤続年数

・年齢(申し込み時点の年齢と完済時の年齢)

・本人の健康状態(持病の有無など)

・返済負担率

・その他ローンの有無と額(マイカーローン、消費者金融など)

・過去の滞納歴・ローン等の返済実績

 

などです。

 

基本的に、金融機関は住宅ローンの審査項目を詳しく公開していません。

ただ、上記の項目に何らかの問題があったり、金融機関が独自に設けている基準をクリアできていなかったりすると、審査に落ちてしまいます。

 

上記の項目を言い換えると、

 

・年収が高い

・大手企業の職員や公務員

・勤続年数が長い

・年齢が若い

・返済負担率が低い

・カードローンやマイカーローン等がない(少ない)

 

という人は、一般的に事前審査でも本審査でも有利です。

 

事前審査(仮審査)で準備しておく必要書類

住宅ローンの事前審査では、以下の書類が必要になります。

 

・住宅ローンの借入申込書

・本人確認書類(免許証・健康保険証・パスポートなど)

・収入がわかる書類(サラリーマン:前年度の源泉徴収票、個人事業主や経営者:3年分の確定申告書や決算書)

・他に借り入れをしている場合は残高証明書

・連帯保証人の身分証明書

・購入しようと考えている新居のチラシなど

 

なお、事前審査を申し込む金融機関によって必要書類が変わる場合もあるので、手続きをするときは必ず金融機関の公式ホームページを確認しましょう。

 

事前審査(仮審査)で注意するポイント

以下のような人は、事前審査に通るのが難しいです。

 

・非正規雇用や自営業者で収入が不安定

・勤続年数が短い・転職して間もない

・年収が低い

・過去にクレジットカードやカードローン、携帯本体の料金を滞納したことがある

・自己破産や債務整理の経験者

・大きな病気を患った経験があり入れる保険が少ない

 

 

また、借入申込書に記入ミスがあったり、必要書類を準備できていなかったりすると、そのほかの部分に問題がなくても審査で落とされてしまいます。

 

そのほか、クレジットカードやカードローンの申し込みと同じで、短期間に何度も住宅ローン審査に落ちると審査に通りづらくなる点にも注意が必要です。

不動産会社と相談して万全の準備を整えましょう。

 

住宅の売買契約をする

 

住宅ローンの事前審査に通ったら、不動産会社と新居の売買契約を交わします。

建売住宅の場合は、土地・建物の売買契約ですが、自分で土地を買ってそこに家を建ててもらう注文住宅を購入する場合、「土地の売買契約」と「建物の工事請負契約」の締結が必要です。

 

新居の契約書は住宅ローンの本審査を受ける際必要になるため、作成時に写しを取っておきましょう。

 

住宅ローンの本審査

 

住宅ローンの本審査とは?

住宅ローンの本審査とは、住宅ローンの可否を決める最終審査のことです。

事前審査で調査した本人の返済能力に加えて、担保物件の価値も審査対象に含まれます。

 

なお、本審査は事前審査よりも審査が厳しいです。

事前審査に通った人でも、手違いによって本審査に落ちてしまうこともあります。

売買契約を結び、「ローンが通ったらこの家を購入します」という同意を不動産会社との間で交わしていても、本審査に落ちるとマイホームの購入計画が止まってしまうので、気をつけましょう。

 

事前審査と同じく、本審査も落ちれば落ちるほど通りづらくなっていくので、必要最小限の申し込みで融資を受けられるように準備を整えることをおすすめします。

 

本審査の審査期間は?

住宅ローン本審査の審査期間は、23週間ほどです。

一般的なローンに比べて借入額がはるかに大きいので、審査にもそれなりに時間がかかります。金融機関独自の調査だけでなく、クレジットカードや借り入れ等の利用・返済状況が記録されている「信用情報機関」への情報照会も行われるため、結果がわかるまで最短でも1週間は見ておきましょう。

 

本審査で見られる内容(基準・審査項目)は?

住宅ローンの本審査で見られる項目は、ほとんどが事前審査と同じです。

 

ただし、

 

・年収

・勤務先

・借入希望額

・勤続年数

・年齢(申し込み時点の年齢と完済時の年齢)

・本人の健康状態(持病の有無など)

・返済負担率

・その他ローンの有無(マイカーローン、消費者金融など)

・過去の滞納歴

 

といった情報に加えて、「新築物件を担保として見たときの評価」も基準に加わります。

 

・太陽光発電システムがある

・新居の立地が良く手放しやすい

・省エネ基準をクリアしている

 

など、「中古物件として売り出したとき、高く・早く売れる可能性が高い一戸建て」だと審査で高く評価されるでしょう。

 

また、意外と重要なのが住宅ローン完済時の年齢です。

多くの住宅ローンは、完済時の年齢に上限を設けています。

住宅ローンは、「今後数十年働いて稼ぐ月々の収入」を使って返済するものなので、原則として70歳以上の人は申し込みができません。逆にいえば、若い内に長期のローンを組むと、その分、月々の返済額を圧縮できて有利です。

 

本審査で提出を求められる必要書類

住宅ローンの本審査では、事前審査で提出した書類に加えて、

 

・住宅ローン本審査の申込書

・団体信用生命保険の加入申込書

・印鑑証明

・住民票

・納税状況がわかる書類(住民税決定通知書・課税証明書)

・売買契約書・重要事項証明書

・登記簿謄本

・新居の図面

・建築確認済証

 

などの提出も求められます。

 

本審査に通ったあとは住宅ローン契約を締結する

 

本審査に通ったら、いよいよ正式な住宅ローン契約の締結です。

ただし、住宅ローン契約を結ぶ場合は、

 

・団体信用生命保険

・火災保険

 

の加入手続きも進める必要があるので要注意。

 

団体信用生命保険とは、「契約者がローン返済中に亡くなった場合、ローンを完済できるだけのお金が下りる」という保険のことです。

火災保険は、火災や台風といった各種災害によって被害を受けたときにお金が下りる住宅保険のことを指します。

多くの金融機関で、団信と火災保険の加入は住宅ローン利用時の必須条件となっているため、2種類の保険に加入しないという選択はできません。

 

なお、本審査に通ったあとでも、住宅ローンの申し込みはキャンセル可能です。

住宅ローン契約を結ぶまえに申し出た場合、キャンセル料もかかりません。

ただし、住宅ローン契約を結んだ後に契約を解除する場合は、解約手数料を支払う必要があるため注意しましょう。

 

住宅ローンの融資実行

 

住宅ローンの融資実行日は、基本的に物件の引き渡し日です。

家の代金を支払うときに住宅ローンを振り込んでもらい、そのお金で新居の費用を支払うことになります。

 

融資の実行と新居の決済をするときは、法務局で不動産の登記を登録したり、金融機関の抵当権を設定したりする必要があるため、できれば司法書士に仕事を頼んで手続きをしてもらいましょう。

 

「住宅ローン控除」や「すまい給付金」の申請

 

家を購入すると、翌年度以降の所得税と住民税が安くなる「住宅ローン減税」や、最大50万円の補助金がもらえる「すまい給付金」を利用できます。

ただし、住宅ローン減税やすまい給付金は、どちらも本人による申請手続きが必要です。

 

特に、住宅ローン減税を受ける場合、普段申告を会社が代行してくれているサラリーマンも、自身で確定申告をする必要があります。

売買契約書やローンの残高証明書等の準備も必要なので、住宅購入時に必要書類を揃えておきましょう。

 

まとめ

 

事前審査と本審査を突破すれば、住宅ローンを組んで新居を購入することができます。

ただし、借入額が大きいので、ローンの審査は簡単では有りません。

借入額の設定や書類の記入ミスには、十分以上には気をつけましょう。

 

なお、住宅ローンの利用者は、住宅ローン控除やすまい給付金といったお得な制度も利用できます。

書類の準備や手続きの流れなど、家を買う人が押さえておくべきポイントは数多くあります。

今回の記事で大まかな流れを理解したら、不動産会社と相談しながらローンの準備を進めましょう。