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一戸建ては購入した後にどのくらいの費用がかかる?戸建てとマンションの維持費比較

ハウジングコラム

2022.12.05

 

住居費は教育費、老後資金と並ぶ人生の三大支出に数えられます。 住居費全体を把握するためには、賃貸住宅の家賃、一戸建て住宅、分譲マンションなどの購入費だけでなく、修繕費や固定資産税といった維持費も含めて考えなければなりません。 ここでは一戸建て住宅で忘れられがちな維持費の項目を漏れなく洗い出し、マンションの維持費と比較しました。

 

一戸建てに必要な維持費の項目

 

一戸建ての維持費の金額を考える前に、まず把握しておかなければならないのが維持費の項目です。税金や保険、修繕費などが考えられます。

 

一戸建てに必要な維持費①固定資産税・都市計画税

土地や建物の所有者に対して、毎年国から課税される税金が「固定資産税」です。 たとえそこに住んでいなくても、所有する限り毎年支払い続ける必要があります。 固定資産税の標準税率は、課税標準額(固定資産税評価額)の1.4%です。 土地や建物の評価額は、3年に1度、見直しが行われます。 一括支払いも可能ですが、1期から4期に分けて分割支払いすることも可能です。 納税通知書に納付書が添付されて送られてくるので、希望する支払い回数のものを使用して納めましょう。

都市計画税は固定資産税と異なり、すべての土地や建物にかかる税金ではありません。 市街化区域内に位置する土地や建物に自治体が課す税金です。 固定資産税と同じ納税通知書で支払額が通知されるので、やはり添付の納付書を使って納めましょう。 都市計画税の税率は自治体ごとに条例で定めることが可能ですが、制限税率である0.3%に設定している自治体がほとんどです。 正確な税率を知りたい場合は、各自治体のホームページを検索してみましょう。 ◎住宅用地に対する課税標準の特例 一戸建て住宅の固定資産税と都市計画税には、「住宅用地に対する課税標準の特例」が適用されます。この特例によって税額が大きく変わってくるので、把握しておきましょう。

 

住宅用地の分類   固定資産税課税標準額   都市計画税課税標準額
住宅用地のうち住宅一戸につき200平米までの部分(小規模住宅用地)   固定資産税評価額×1/6   固定資産税評価額×1/3
住宅用地のうち住宅一戸につき200平米を超える部分(その他の住宅用地)   固定資産税評価額×1/3   固定資産税評価額×2/3

 

一戸建てに必要な維持費②保険料

住宅ローンを組む際は、基本的に金融機関から火災保険の加入を義務付けられます。 保険会社や加入する保険の種類によって保証内容が大きく異なり、それに応じて毎年(月払いのものもあり)支払う保険料も変わってきます。 自然災害が相次ぐ近年では、風水害への保証が充実した保険も増えてきました。また、基本的に火災保険とセットでのみ加入できる地震保険に加入する人も増えています。

 

一戸建てに必要な維持費③修繕費

住宅が古くなると徐々に傷みが出てきて、修繕が必要となってきます。 メンテナンスによって修繕費が変わってくるので、定期的に正しいメンテナンスを加えましょう。 10年に1度は外壁材や屋根材を塗装しておくと、住宅の骨格にあたる構造材の劣化が防げるので家が長持ちしやすくなります。 トイレやキッチン、浴室といった水回り設備は築後20年程度を目安に交換することになります。これらも日々のメンテナンスで寿命が変わってくるので、修繕費はメンテナンス次第ともいえるでしょう。

 

一戸建てに必要な維持費④ほかにもこんな項目が

一戸建て住宅を建てるとご近所付き合いの一環として、自治会に加入するケースが多くなります。 自治会の年会費は数千円から数万円とまちまちです。 それほど大きな金額ではないはずですが、できれば事前にリサーチしておくと安心です。

 

一戸建ての維持費の目安

 

ここでは一戸建て住宅の維持費の目安を知るために、一般的な住宅について金額を簡単にシミュレーションしました。 固定資産税と都市計画がどれくらいかかるか、修繕費の積み立てにいくらかけるかによって違ってきますが、概ね年間30~40万円程度かかると考えれば良いでしょう。 各項目の内訳についてもご紹介しています。

 

【一戸建て住宅の年間維持費シミュレーション】

税金約15万円+火災保険料約2万円+地震保険料約4万円+修繕費積立約17万円 =約38万円

 

一戸建てに必要な維持費の目安①税金

小規模住宅用地の特例が適用されるので、敷地部分の固定資産税と都市計画は抑えられます。 エリアや建物の仕様、広さなどによって金額が大きく異なりますが、土地と建物を合わせて年間10~20万円程度になることが多いようです。

 

一戸建てに必要な維持費の目安②保険

例えば東京都内で建物面積100平米の木造住宅について、建物補償額1,500万円、契約年数10年の保険に加入した場合、火災(落雷、破裂、爆発を含む)と風災(ひょう災、雪災を含む)のみの保証だと10年分で10~13万円程度の保険料になります。 さらに水災や盗難などの保証もつけると、10年分の保険料は16~21万円程度です。 近年は日本各地で深刻な風水害が増えているので、風水害も含めた保証を受けられるものを選んだ方が無難です。 相場は10年で20万円と考えておきましょう。 地震保険は火災保険と違い、損害の度合いに対する補償割合が30~50%です。 上記と同じ建物にセットした場合、年間3万5千円から4万円程度になるでしょう。

 

一戸建てに必要な維持費の目安③修繕費

一件の住宅にかかる修繕費30年分として、仮に10年ごとに2回の外壁塗装を行い、築後20年で水回り設備を取り換えた場合で考えてみましょう。 外壁塗装は足場工事も含めて1回あたり100万円程度かかり、水回り設備をすべて交換するには200万円程度かかります。 フローリング材や壁紙などの内装材も傷んでくるので、取り換えが必要となるでしょう。 予備費も考えると累計で500万円程度の修繕費が発生することがわかります。 年間17万円程度の積立金を用意しておけば、いざという時慌てません。 植栽の管理費やカーポート、門扉などの修繕が必要となるケースもあるので、外構を充実させる場合は維持費についても注意が必要です。

 

一戸建てとマンションの維持費を比較しよう

 

マンションの場合、一戸建て住宅の維持費に加えて「管理費」「修繕積立金」「駐車場代」がかかってきます。 一概に比較することはできませんが、同じ専有面積の場合はマンションの維持費のほうが高くなることが多いでしょう。 修繕積立金はマンション全体の補修や大規模修繕に備える費用で、戸別の設備や内装工事に関しては当然各自の用意した費用で賄わなければなりません。 金額はマンションによって千差万別ですが、共有設備が充実しているほど管理費が高額になります。 修繕積立金は築後数年で値上がりするケースがとても多いので、余裕をもって支払える金額かをチェックしておきましょう。 土地代が高いエリアでは駐車場代も高額で、さらに機械式駐車場では維持管理の費用が上乗せされます。

 

一戸建ての維持費の注意点

 

一戸建て住宅の維持費を抑えるためには、「長い目で見る」という視点がもっとも重要です。 たとえば建材の耐火性能によって火災保険の保険料が安くなるケースもありますし、構造によって地震保険の保険料も違ってきます。 外壁塗装の塗料も、耐久性を高いものがおすすめです。 塗装費用は少し上がりますが、塗装の頻度が下がるので結果的にメンテナンス費用が抑えられます。 ちょっとした不具合の修繕も、早めに行うことが住宅自体を長持ちさせることに繋がります。

 

まとめ

 

ご紹介したように、一戸建て住宅の維持費は年間で30~40万円程度かかってきます。 しかし工夫次第で、長期的な維持費の支出をぐっと抑えることは可能です。 長い目で見て損をしない選択をするため、自分のケースに当てはめてシミュレーションをしてみましょう。